若木睦の神輿渡御から始まったといわれている神道文化学部行事の観月祭。今年は七回目を迎え、若木睦は斎庭係としてお手伝いをさせていただきました。
國學院大學の神道系サークルが中心となって結成される斎庭係は今年度50人を超えました。設営や警備、広報など演者を陰で支える役目を持つ斎庭係。その統括を行ったのは本會の細江會長であります。細江會長は昨年度の観月祭で学生統括を務め、今年は斎庭を統括するという経歴を持ちます。
今回はそんな本番中あまり注目を受けることがない斎庭係に焦点を当てて記事をお届けします。
演者の皆さんも日々合同稽古を行って研鑽を積んでおられたと思いますが、斎庭係もまず高欄の組み立て練習を一週間前に行いました。
本番いきなり組むといっても配置や部品のイメージなどはつかみにくいものです。実際に本番と同じように高欄を組み、そのもとで演者の方々にも合同稽古を行ってもらいました。
本番は先生方や職員の方々にも手伝っていただき、組み立てたものを少し崩して持って行って精密に組み立てを行っていきます。やはり祭祀舞や雅楽奉納は神事ですので、その御殿となる高欄も完璧なものを作り上げなくてはなりません。みなで真剣に作業を行いました。
高欄の横に青葉雅楽会の方が持ってきた胡床を並べます。
組み立てた高欄に金具の装飾をつけていきます。
武田学部長も真剣な眼差しで準備を行う生徒たちを見守っていました。
小野雅楽会の小野貴嗣先生にお借りした窼幕を運んでいきます。これを業者の方に舞台後ろに飾っていただきました。
副学部長の西岡先生も階段から見守っていました。
いよいよリハーサルが始まります。祭式教室に来る先生方のために胡床を用意しています。
ステージ設営の終わった現場では小野貴嗣先生のご指導のもと本番の位置確認などが行われています。
本番直前なだけあってご指導にも熱が入ります。
音出しが11時までしかできないので場所を第一祭式教室にうつします。斎庭係も途中まで真剣な表情でリハーサルを見守ります。
さて、舞台の設営はこんな感じで完了しました。完璧な状態で本番を迎えられそうな雰囲気です。
祭式教室ではみすゞ會のリハーサルが続きます。
お次の仕事は客席設営です。普段五号館ピロティに置いてある椅子を中心に並べていきます。
お次に体育館のパイプ椅子を中心に並べていきます。観客全員が見えるように互い違いに置いていきます。
笙を温めるための火鉢の起こし方のレクチャーを受けています。
祭祀を担当する瑞玉會も磐座の前で最後のイメトレです。
ようやく並べ終わりました。席数にして212席(長椅子三人換算)。
ピロティ前は既に整理券を取りに来られた方々でいっぱいです。
斎庭警備班を中心に来られた方々をまとめていきます。
順番に整理券を配布していきます。
そんな裏で火鉢の維持が続けられていました。
祭式教室では本番に向けて萠黄會を中心に先生方も併せて着装が行われています。
次々と着装が行われていきます。
武田学部長の着装も小野和伸先生や星野先生を中心に行われていきます。
現場ではいよいよ開場です。人がなだれ込みます。
磐座の前には神饌と真榊が準備万端です。
國學院大學の佐栁正三常務理事と武田学部長、西岡副学部長が着装して参列します。
加えて左から吉永安里人間開発学部助教、木村都キャリアサポート課長、藤澤紫文学部教授が参列。後ろには赤井益久学長が控えます。
いよいよ観月祭斎行です。神事が始まります。
修祓が行われます。観客の皆さまをお祓いしています。
献供され、復興祝詞が読まれた後学長が玉串を奉典します。
一通り神事が終わった後所役が撤収を行います。
最初の演目は青葉雅楽会の管弦です。太食調の音取、傾盃楽急、抜頭が演奏されます。
厳かな雰囲気です。
ノルマン・ヘイブンズ先生もご来場です。
演奏が終わると所役が太鼓や火鉢を移動します。
続いてみすゞ會の神楽舞です。
まずは豊栄舞が舞われました。
浦安の舞の前には所役により鈴が運び込まれます。
そして浦安の舞。
青葉雅楽会の唱歌のもと舞われました。
最後に舞楽が行われました。まずは振鉾です。
鉾を天に振り上げる姿は非常に麗しいものがありました。
続いて右舞の延喜楽。
雅楽の演奏の元四人で舞われました。
最後に左舞の賀殿急。
それぞれが力強い舞を魅せていました。
これにて観月祭はお開きです。
ここから斎庭係で片づけが始まります。
次々と金具が取り外されていきます。いざ終わるとなると悲しいものです。
皆説明書きを見ながら解体を行っていきます。
皆見て袋に入れていきましたが、どうしてもズレが発生しました。来年はしっかり整理しなければいけません。
片付けも一通り終わり、直会に移りました。
武田学部長を始め先生方も集まり、全体で今日の頑張りを労いました。
最後に若木睦で神輿コール集合写真。なんだか報われた気がしてきました。
斎庭統括の細江會長。厳しい逆境の中でも観月祭を上手く取り纏めました。今回のMVPは間違えなくこの人です。
最後に蛇足かもしれませんが、撮影班の一人として一言。今回私はこの観月祭で前回に引き続き撮影をやらせていただきましたが、今回特に重視したのが斎庭係の撮影であります。本會五代目會長も前年度「準備の写真も撮ることが大事」であると仰っていましたが、まさにそれを痛感しております。こうして記録に残すことで裏方である我々斎庭係の成果が形として残せるからです。演者の方々は成果が目に見えてわかりやすいですが、斎庭係は注目を浴びることもあまりない地味な役割です。ただ、こうした観月祭に裏方は欠かせないものです。それを記録を持って体現することは非常に重要だと思いました。
記事が非常に長くなりましたが、以上でレポートは終了です。学部ホームページでも武田学部長が順次記録をアップしてくださることでしょうから、楽しみに待ちましょう。
第7回観月祭開催報告(その1 平成28年10月15日)
http://www.kokugakuin.ac.jp/shinto/shin05_h28_1017_011.html
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