四之宮前鳥神社御鎮座千六百五十年式年大祭
2018年10月01日更新

9月29日(土)神奈川県平塚市に鎮座する前鳥神社(さきとりじんじゃ)の御鎮座千六百五十年式年大祭が行われました。

前鳥神社は菟道稚郎子命を主祭神とし、大山咋命と日本武尊を祀っています。相模國に十三座ある延喜式内社の一社で5月に大磯で行われる国府祭にも参加する「相模國四之宮」の格を有しています。

社紋は菊紋ですが、花弁が十五枚の「十五菊」を使っています。

通常は例大祭として9月27日、28日の定日開催なのですが、今年は御鎮座千六百五十年式年大祭と銘打ち29日に奉祝祭として前鳥神社大神輿と前鳥神社が兼務している真土神社と中原日枝神社の大神輿の三基による合同渡御が行われました。

この貴重な機会に私達は真土神社の担ぎ手として奉仕させていただきました。

三社の神輿は前鳥神社の御旅所である北向観音からお発ちです。

横一列に並び、前鳥一本締めの後一斉に担ぎ上げられました。左から中原日枝神社、四之宮前鳥神社、真土神社の神輿です。

神輿は隊列を組み神社へ向かいます。

先頭は前鳥神社神輿

二番目に真土神社神輿

しんがりで中原日枝神社神輿が進みます。

時折強く雨が降る中ですが、負けじと気合いで神輿を担ぎました。

真土神社神輿は背の順で担がれたため、各々肩の合った所で担ぎました。

華は重かったです…

渡御は進み、前鳥神社西参道で一度降ろされました。

真土神社神輿

昭和11年矢内稲雄らの手により造られました。当時の青年団が大変な苦労をして貯めたお金で作った神輿との事です。製作当時は素木造りでしたが、平成3年に塗りが施されて今に至っています。

日枝神社神輿

江戸時代の作と伝えられており、堂部分の螺鈿細工が美しいです。鳳凰の頭が赤いのが特徴です。

前鳥神社神輿

文久元年相模の名宮大工手中明王太郎によって造られました。鳳凰の露盤の中には宝珠があり珍しい露盤宝珠の造りになっています。

20年ぶりに集まった三基の神輿はどれも箔押しがされておりとても豪華でした。さらに相州どっこい神輿独特の白の捩り(もじり)がけをされており、捩りには大鈴がつけられています。この鈴を鳴らし、台輪の箪笥で調子を合わせて担ぐのがどっこいの担ぎ方です。

西参道赤鳥居前からは前鳥神社の奉祝行列の後に神輿が続きます。

渡御も終盤、前鳥神社の表参道の一の鳥居を潜ります。

渡御は表参道がゴール、もちろん盛り上がります。周りに乗せられて担ぎで応えます。(もちろんガン揉みです。)

先頭の前鳥神社の神輿が降ろされると後ろの真土神社、日枝神社の神輿も降ろされて最後に前鳥一本締めを行い奉祝渡御は無事終了しました。

今回、御鎮座千六百五十年という節目の奉祝渡御のお手伝いができてとても光栄でした。もちろん式年祭なので毎年やっているわけではありません。先例から見ると次行われるのは30年後になります。

普段の例祭と違う特別な経験ができました。真土神社の皆様にはこの場を借りて御礼申し上げます。

天気は残念でしたが、担ぎ手さんの熱気や盛り上がりでとても熱い渡御になりました。次回の式年祭開催はおそらく2048年か2068年かと思います。それほど貴重な経験ができたお祭りでした。

相模國四之宮前鳥神社御鎮座千六百五十年、誠におめでとうございます。

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